2017/06/04

【蔵書より】谷崎潤一郎 猫と庄造と二人のをんな(創元社版)



谷崎潤一郎 猫と庄造と二人のをんな
創元社版 昭和14年9月10日発行 第13刷
装幀挿画 安井曾太郎






改行せず、奥付に文字をびっしり詰めるのは
谷崎さんの本ではよくあるやり方。


天、小口、地のすべてを青く着色しているのは珍しい。

谷崎さんの本は装幀に凝っているものが多いと思う。
漱石さんも凝り性だけれど、こちらも全然負けてない。
この本はタテヨコの比率がちょっと他には見られないし。

本という「モノ」を、ひとつの総合芸術と捉えていたのだと思う。
そういう考え方には私も大いに賛成。
何より手にとって愉しいわけだし。

奥付の検印も、いったい何種類持ってたんだろう。
お洒落すぎる。


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2017/05/15

【蔵書より】川端康成 雪国(創元社版)



川端康成 雪国
創元社版 単行本 第八刷
印刷 理想社 昭和12年7月5日 発行
製本 兩角製本
装幀 芹澤銈介




有名な書き出し。



川端康成の「雪国」。
ずいぶん前に新潮文庫で読んでいるけれど、
古書市で見つけ、
単行本で持っていても良いなと思い買った。

この作品は旧仮名遣いでも読んでみたいと思った。
以前も書いたかもしれないけれど
川端さんの小説は情景が美しいので、
物語を読んでいながらも
詩を愉しんでいる様な感覚も覚える。

一頁あたりの文字数や行間は
このくらいがいちばん、
読んでいて心地良いかもしれない。


2017/03/12

志賀直哉 早春(小山書店版 単行本)



志賀直哉 早春
小山書店版 単行本 第3刷
印刷 帝都印刷(株) 昭和17年11月5日(二千部)
製本 山田製本工場
配給元 日本出版配給(株)







こういう本を見るとつくづく、
本というものは総合的の芸術だと思います。
中身の物語はもちろん、書体や活字の大きさバランス、
紙の質感、色の合わせ具合、装画。
こういったものがすべて併せられて、
ひとつの作品になるのだと思います。

函の紅がいいです。取り出すと、
表紙にも紅い花が美しいと思います。

小山書店、という出版社を私は初めて知りました。
Webで調べてみると、かつて存在した出版社だそうですが、
D・H・ローレンス「チャタレイ夫人の恋人」(伊藤整 訳)を
出版したことで、わいせつ物頒布罪に問われ、
その影響もあり倒産した様です。

志賀直哉の作品は、
文庫で「暗夜行路」を読んだことがあります。
ただ、あまり身を入れて読んでいなかったので、
ほとんど印象に残っていないのが正直なところです。
この「早春」もたまたま古書市で出会ったのであって、
志賀作品をきちんと読んでみるきっかけに
なればいいと思います。