2017/04/12

【蔵書より】太宰治 八十八夜(南北書園版)



太宰治 八十八夜
南北書園版 初版
印刷 関東印刷(株) 昭和21年2月25日
配給元 日本出版配給統制(株)


以前の所有者のものとおぼしき蔵書印。







表題作を含む小説集。装丁が私好み。
ネットで調べてみたところ、
「八十八夜」が初めて単行本の中に収められたのはこの本ではなく、
昭和15年4月20日に竹村書房から刊行された
小説集「皮膚と心」に於いてが最初だったとのこと。


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2017/03/18

斎藤茂吉 自選歌集 朝の螢(改造社版)



斎藤茂吉 自選歌集 朝の螢
改造社版 新装版初版
印刷 凸版印刷 昭和21年10月30日
配給元 日本出版配給(株)
装幀 石井鶴三





ところどころに書き込みがあります。
前の所有者の方はずいぶんと、歌に熱心な方の様です。



「朝の螢」は茂吉にとって最初の自選歌集とのことです。
表題は自身の歌の一節から採ったのだと、
茂吉自身がこの本の巻末で書いています。

「草づたう朝の螢よみじかかるわれのいのちを死なしむなゆめ」

巻末にはこんなことも書いてあります。
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けれども、歌集「朝の螢」は私のこころの悲しく痛ましき時に作り得たものである。
縁ありて、この歌集を読む友よ、ねがはくは如是のゆゑよしを忘れたまふな。
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何があったのでしょうか。
斎藤茂吉記念館のホームページによると、
「朝の螢」は大正14年4月20日に発刊と記されています。
年譜でわかることは、養父の経営する青山脳病院が
この自選歌集が世に出るすこし前に全焼するという出来事があったということです。
そのことが関係しているのでしょうか、
ひとの心の内のことですから分かりません。

ところで、私の本棚にある「朝の螢」は新装版です。
この新装版に寄せて、茂吉は最後のページに
こんな後記を残しています。
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本書は戰爭中しばらく出版を中止してをりましたが、いよいよ平和となり、
新時代に入りましたので玆に新裝して二たび出版することとなりました。
どうぞまた續々お讀みくださることをお願いたします。
私は戰爭末期に山形縣に免れまゐりまして、上ノ山、金瓶、大石田と移り住み、
目下大石田に居ります。

昭和二十一年八月 斎藤茂吉
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2017/03/01

太宰治 斜陽(新潮社版 単行本)



太宰治 斜陽
新潮社版(単行本) 初版
印刷 協和印刷(株) 昭和22年12月11日









「斜陽」は文庫で読んだことがありました。
しかし、古本市の棚でこれを見つけたのです。
もちろん自室の本棚にも、
あのお馴染みの新潮文庫の黒い背表紙の「斜陽」が
並んではいるのですが、
やはり出版当時の体裁で読んでみたいという
そんな思いがありました。

背表紙は斜陽の「斜」の部分が剥落してしまっていますし、
奥付にも一部破れがあります。
紙面もだいぶヤケています。

戦後まだそれほど経ってもおらず
物資に乏しかった時代だからか、
この時期の本の造りもそれを反映している印象がありますね。
私の本棚に同じ時期の川端康成、坂口安吾の本もありますが、
ほぼ同じ様な経年変化となっています。


2017/02/20

坂口安吾 白痴(中央公論社 単行本)



坂口安吾 白痴
中央公論社 単行本 初版
印刷 文壽堂工場 昭和22年5月1日
装丁 原 弘







表題作「白痴」を含む小説集です。
坂口安吾というと、
下着姿であぐらをかいて一心不乱に
原稿用紙を引っ掻いている様な印象です。

以前、堕落論について論じている番組を見て、
安吾に興味がずっとありました。
ですが作品自体は実のところ読んだことがないのです。

聞いたところでは、
同じ無頼派と呼ばれる作家であっても、
太宰とはまたタイプの異なる人間らしいのです。

2017/01/29

谷崎潤一郎 細雪(中央公論社 単行本)



谷崎潤一郎 細雪(全)
中央公論社 単行本 第5版
印刷者 大橋芳雄 昭和25年1月20日
製本 記載なし
装幀・口絵 小磯良平



谷崎潤一郎の小説は今までに、
「痴人の愛」「春琴抄」「猫と庄造と二人のをんな」を読んでいます。
よく言われることだと思いますが、
描く女性がとても魅力的な人だと思います。
「痴人の愛」のナオミはエキゾチックですし、
「春琴抄」の春琴も凜としたところがいいです。
谷崎の長編を他にも読んでみたいと思っていたので、
この本はちょうど良いタイミングでした。



それにしても、昭和25年の印刷ですので
だいぶ経年を感じさせます。
箱は綻びが生じていますし、
背表紙も頁と剥離してきています。
大切に読むことにしましょう。