2017/06/27

【読書日記】村上春樹 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)



2017-28
村上春樹 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)
新潮文庫 第11刷
160頁まで

久しぶりに新刊書店で文庫を買った。
村上さんの長編を読むのは久しぶり。
好きな作家なのでエッセイや紀行も本棚に並んでいる。

私が初めて村上さんを読んだのは
今からもう二十年以上前で「ノルウェイの森」だった。
当時私はシフト制の仕事をしていたのだけれど、
夜勤の晩に睡眠時間が減るのも忘れて
職場で読みふけった記憶がある。
それは本当に衝撃的だった。
今でも、「この物語に出会えて良かった」とそう思っている。
ノルウェイの森はもう三回くらい
文庫を手放しては買い直していて、
今は手元にない状態なのでまた買おうと思っている。
生涯に渡り折に触れ、
そんな風に読める作品はなかなかないと思う。

この「世界の終り〜」はちょっと不思議な物語で
ノルウェイの森とはまた系統の異なる作品。
一人称の「私」と「僕」の章を代わる代わる読むことになるのだけれど、
それらの関連性は今のところ何もない(と感じている)。
二つの世界がどう展開してゆくのか、愉しみにしている。


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2017/06/27

【蔵書より】三島由紀夫 金閣寺(新潮社版)



三島由紀夫 金閣寺
新潮社版 単行本 昭和32年3月10日 第11刷
印刷 精興社 
製本 新宿・加藤製本
装幀 今野忠一



カバーを外すと単色の装丁。
三島さんの装丁はこのスタイルが多い気がする。
目が覚める様な紅。



「金閣寺」は新潮文庫で読んだのが最初だった。
今の部屋に越してきたとき、
蔵書は殆ど売ってしまったので「金閣寺」は手元になくて、
古書市でこの本を見つけた時はすぐに手に取った。
というか、いつか古書で単行本を見つけた時は
絶対に購入しようと前から思っていた。

さいきん、三島さんの作品に触れていない。
今読んでいる本を読み終わったら、
未読の三島作品を読んでみるのもいいかもしれない。


2017/06/25

【読書日記】大岡昇平 俘虜記(創元社版)



2017-27 大岡昇平 俘虜記
創元社版 第4刷
読了

読み終えた。
この作品は小説ではなく体験記として書かれている。
作中でも自分のことを「大岡」と書いている。
米軍に捕らえられて俘虜として生活していた時期のことを
振り返っている。
ただ起きた事実を書き記すだけでなく、
なぜ自分が目の前の米兵を撃たなかったのか、や
俘虜としての生活に自分が順応してゆく様子を内省している。

こういうものを今の私が読むときに、
どうしても現代の道徳心の様なものを取っ払ってしまわないと
とても当時前線に居た人の心持ちなど想像すらできない。
「生き死に」を前にしたら、
人間は自分の命を最優先にすることが当たり前だと思う。
そんな時に、世間一般の人道的思想など入り込む余地なんて
きっとないんじゃないかと思う。

この本の以前の所有者はページの処々に
印をつけている。
どんな人がこの本を所有していたのだろう。



2017/06/19

【読書日記】大岡昇平 俘虜記(創元社版)



2017-27 大岡昇平 俘虜記
創元社版 第4刷
34頁まで

今朝はジャック ロンドンの「白い牙」を読み終わり、
続けて大岡昇平の「俘虜記」を読み始めた。

古い本と接していると気づくのだけれど、
昭和二十年代前半の書籍というのは
戦後という時代のせいか紙質が悪くて
ページにはどれもだいぶヤケが入っている。
昭和24年に印刷されたこの本も例外でない。

媒体として、この本自身が持つ匂いや手触りからも
戦後が終わって間もない時代の空気が
染み込んでいると感じる。

2017/06/18

【読書日記】ジャック ロンドン 白い牙(白木茂訳・ポプラ社版)



2017-26
ジャック ロンドン 白い牙(白木茂 訳)
ポプラ社版 第13刷
304頁まで

ここのところずっと湿度の高い作品を読んできたので、
ジャック ロンドンを読みたいと思った。

彼の小説は少し前に「荒野の呼び声」を読んでいる。
今回は「白い牙」。
ポプラ社が昭和44年に発行した「世界の名著」シリーズの、
これは26巻にあたる本。
私の本は第13版で昭和55年に発行された本。
とにかく大きくて重い本。通勤カバンが重い重い(笑)

荒野の時もそうだったけれど、
読み始めると物語に引き込まれ、
オオカミ犬に起こる様々な出来事が
まるで自分のことの様に感情移入して
どんどん読み進めてしまう。

私は彼の小説がとても好きだ。

2017/06/17

【読書日記】島崎藤村 新生(春陽堂版)



2017-25
島崎藤村 新生(春陽堂版 初版)
読了

今月に入るくらいからたびたび喘息がひどくなり、
咳でよく眠れない日が続いた。
つくづく、本を読むということは
体力が要るのだと感じた。
ほぼ1ヶ月、私は常にこの「新生」をカバンに入れて
職場と部屋との間を往復していたことになると思う。
なかなか読み終えることができなかった。

この小説は藤村さんが自分のことを書いたもの。
姪との関係を書き綴ることへの心の葛藤が
痛いくらいに伝わってくる。

最初は身籠った姪を置き去りにして
仏蘭西へ逃げるのだと、
ずいぶんひどい男だとも思ったけれど、
読み終わった今となっては
苦しんだ上での決断だったのだと思う。
実際、仏蘭西へ行ってからも
何もかも忘れて新しい生活を楽しむでもなく、
常に姪や自分の子供たちのことを思う様子が
描かれている。


2017/06/04

【蔵書より】谷崎潤一郎 猫と庄造と二人のをんな(創元社版)



谷崎潤一郎 猫と庄造と二人のをんな
創元社版 昭和14年9月10日発行 第13刷
装幀挿画 安井曾太郎






改行せず、奥付に文字をびっしり詰めるのは
谷崎さんの本ではよくあるやり方。


天、小口、地のすべてを青く着色しているのは珍しい。

谷崎さんの本は装幀に凝っているものが多いと思う。
漱石さんも凝り性だけれど、こちらも全然負けてない。
この本はタテヨコの比率がちょっと他には見られないし。

本という「モノ」を、ひとつの総合芸術と捉えていたのだと思う。
そういう考え方には私も大いに賛成。
何より手にとって愉しいわけだし。

奥付の検印も、いったい何種類持ってたんだろう。
お洒落すぎる。


2017/06/03

【蔵書より】島崎藤村 仏蘭西だより(新潮社版)



島崎藤村 仏蘭西だより
新潮社版 初版
印刷 富士印刷(株) 大正11年5月30日
製本 記載なし


巴里リュキサンブウル公園


佛國中部リモオジユの町


オート・ヴィエンヌの秋





ちょうど藤村さんの「新生」を読んでいるので
今日はこの本を棚から出して来た。
以前、何の脈絡もなしに買った本だけれども、
「新生」を読み進めると、藤村さんが仏蘭西滞在中に
日本に書き送った文章を集めたものがこの本なのだと気づく。
実はまだ読んでいない。
「新生」を読んだ後で時間を作って読んでみようと思っている。


2017/06/02

【読書日記】島崎藤村 新生(春陽堂版)



2017-25
島崎藤村 新生(春陽堂版 初版)
266頁まで

久しぶりの更新になった。
さいきん体調が、とくに呼吸器系が悪かったせいで
夜もろくに眠れず、読む時間が持てたとしても
飲んでいる薬のせいで集中を欠いてどうしようもなかった。
兎に角、「新生」を少しずつ読んでいる。

今さらながら、
読書という行為は体力を費うのだと、
つくづく思い知る。
生きて居るうちにすべての物語を読むことはできない。
あたりまえのことだけれども、
それは本当のことと思う。