2017/04/12

【読書日記】吉行淳之介 娼婦の部屋



2017-19
吉行淳之介 娼婦の部屋(文藝春秋新社版 初版)
読了

この小説集を読み終わり、
吉行淳之介という作家が好きになる。
というか、もっと若いうちからこの作家に
触れておけばよかった。

昨日挙げた作品のほか、
「白い神経鞠」、「人形を焼く」、「鳥獣蟲魚」も好きな作品。
共通しているのはどの作品も、
描かれている女性が魅力的だということかもしれない。
「鳥獣蟲魚」では自分と他との関係について
女性との関わりの中で描き出してる。

気に入ったところを引用してみる。(260〜261頁より)
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私が、彼女の左肩をぐつとうしろへ引張つたとき、
その貝殻骨の下に、思いがけないほど大きな暗いくぼみが
できたのに氣付いた。私は彼女をそのままの姿勢にさせて、
心臓の裏側のところの、暗いくぼみを見つめた。
「そうすると、骨がないので、落ちくぼんでしまうの。」
そして彼女はわざと陽気な聲を出して、
「そこに物が置けるのよ。マッチ箱でも、置いてごらんなさい。
さあ、はやく置いてごらんなさい。」
畳の上に、彼女の耳飾りの片方が、ころがつていた。
ガラスの耳飾りが、電氣の光をうけて、閃いていた。
その耳飾りをつまみ上げた。彼女の心臓の裏側の小洞窟で、
かすかな光が白く浮び上がつた。
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