2017/02/05

【読書日記】2017年2月5日



2017-10
カフカ 変身(岩波文庫 第15刷)
読了

グレゴールは死にました。
朝になってその死を初めに知ったのは女中の婆さんで、
その遺骸を片付けたのも、その婆さんでした。
両親と妹は休暇を取って久々に家族そろって外へ散策へと
出かけるのです。その様子は晴れ晴れとすら感じられ、
開放感と明るい未来の兆しの下、この小説は終わります。
ただひとり、グレゴールを置き去りにして。

グレゴール・ザムザの最後の様子を描いた一節です。

77頁より(山下肇 訳)
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教会の塔時計が朝の三時を打った。
窓の外が一面にほんのり明るみはじめたのまで、
かれにはまだわかったけれども、
やがて首がひとりでにがくんと落ちて、
鼻孔から最後の息が弱くかすかに流れでた。
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この本には、じつはもう一篇、
「断食芸人」という短い小説が収められています。
断食する様子を見せて収入を得る檻の中の男が主人公です。
最初の頃は、人々は珍しがって彼は人気者でしたが、
人の興味というものは長続きしないものです。
最後はサーカスの厩舎脇の檻の中で過ごし、
一生を終えます。
これも「変身」の主人公と同じく、
自分の境遇を理解してくれる人が周りに一人もいないまま、
死んでゆくお話です。

フランツ・カフカの本が手元にもう一冊あります。
未完の長編「審判」です。
すこし間を空けてから読んでみたいと思います。

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