2017/02/09

【読書日記】2017年2月8〜9日



2017-11
開高健 輝ける闇(新潮社単行本 第5刷)
230頁まで

サイゴンから前線へ、主人公はまた戻ってきました。
主人公、この小説を読み進めれば
それが開高自身であると、誰もが感じるはずです。
でも物語の中で、周りの第三者が主人公のことを
「開高さん」とか「健さん」などと呼びかける場面は、
私が見落としていなければ(今のところは)一度も出て来ません。
ただ、自分のことを小説家と言っていますし、
ご存知の通り開高は実際に従軍記者として
ベトナムにも居ました。

記者という立場に、
少なからず色々と思うところもあったと、
この小説を読めばわかります。
当事者ではなく「見る」という行為に徹する立場。
自分は一切、手を汚していないという
責められる理由もない、それでいて
何か後ろめたさに似た様なもの。

物語も、もう終盤です。
処々に、後に「夏の闇」で主人公に憑いて離れない、
あの、生活の中で不意に襲ってくる感覚の断片の様なものを
この小説の中に嗅ぎとることができます。

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