2017/04/05

【読書日記】大江健三郎 みずから我が涙をぬぐいたまう日



2017-17
大江健三郎 みずから我が涙をぬぐいたまう日(講談社版 初版)
読了

先日も書いたけれど、
この作品は難解だと思う。
これを読んで他の人はどんな感想を抱くのだろうと思い、
ネットで色々の人の感想を読んでみたけれども、
少なからず、私と同じ思いの人は多い様子。

内容もさることながら、
この作品の形式に最初は戸惑うかと思う。
読者は口述筆記で記されたものを読み進める訳だけれど、
その合間合間にその口述を書き記す人間と
主人公とのやりとりが挟まれたりしていて、
ちょっと別の部分でも頭を使うかもしれないし、
作品中に現れる事物に
どう反応したら良いのか分からない、
といった体験もした。

この本には表題作のほか、
「月の男(ムーン・マン)」という作品も収められている。
表題作と関連のある作品であることが
最後の方まで読むとわかる。

大江さんがこれらの作品を書いたのは
三島事件がきっかけであるらしく、
「月の男」でイルカの格好をして焼け死んだ男など、
どこかあの事件を想わせるところがあるし、
この本の最初に収められている
「二つの中篇をむすぶ作家のノート」にも
三島さんのことと思われる記述もある。

この作品はきっと、
もういちど読まないといけない気がする。


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