2017/08/11

【読書日記】夏目漱石 彼岸過迄(春陽堂版 複刻版)



2017-48
夏目漱石 彼岸過迄
春陽堂版 複刻版
日本近代文学館 初刷
読了

読み終えた。
読み始めた頃は敬太郎を中心とした話かと思いきや、
これは須永が主人公と言っても良い作品だと思う。

小説を読んでいて、
登場人物に自分を重ねることは
ほとんど無いのだけれど、
この作品を読んでいて驚いた。

須永の内に、
私は自分を見た様な気がしている。
どんな自分か、というのを此処に直に書くのは
やめようと思うけれども、
この小説を読んだことがある人ならば
大方想像できると思う。

私自身、そういう自分の性質で苦しむことがあって、
どういう心持ちで居れば
泰然として自分を焦がさずに済むのか
よく考えることがあるので、
そういう苦しい部分をここまで執拗に描かれると
正直読んでて辛いところもある反面、
私だけではないのだという変な安息もある。

想像だけれど、漱石さん自身も須永に似たところが
あったのではないかという気がする。
そうでなければ、
あんな風に実感を伴って描けない様な気がする。


2017/08/10

【読書日記】夏目漱石 彼岸過迄(春陽堂版 複刻版)



2017-48
夏目漱石 彼岸過迄
春陽堂版 複刻版
日本近代文学館 初刷
260頁まで

ここ数日は、この重い本をずっと持ち歩いている。
中盤くらいまで読み進めた。

思い出したことがある。
漱石さんの女性の描きかたが
私はとても好きだったのだということ。
停留場で千代子に遭ったときの描写は
とても素敵だと感じる。

この作品に限らないことだけれども、
漱石さんは艶を直接書く様なまねはせず、
所作や、その人が纏っている空気の様なものから
その人の魅力をあぶり出している様なところがあると思う。


2017/08/08

【読書日記】太宰治 あさましきもの(青空文庫版)



2017-51
太宰治 あさましきもの(青空文庫版)
読了

「こんな話を聞いた」から始まる
掌くらい短い あさましき 三つのお話は、
漱石さんの「こんな夢をみた」から始まる
夢十夜の始まり方を想起させる。

最初の、禁煙の約束を破ってしまうお話は
娘の台詞がなんとも愛らしくて
太宰さんらしい。

2017/08/07

【読書日記】太宰治 朝(青空文庫版)



2017-50
太宰治 朝(青空文庫版)
読了

何軒も酒場を飲み歩き、
気が付くと其処は知人の女の部屋だった。
二人して炬燵に脚を突っ込んで
横になって居る。
蝋燭を点けてまた酒を飲み、
気付くと夜が白んでいた。

薄暗闇と、女の匂いのする部屋と、
また飲み過ぎたという自責の思い。
虚しさと温かさが
溶け合うことなく混ざった様な、
何とも言えない空気感。

2017/08/07

【読書日記】太宰治 青森(青空文庫版)



2017-49
太宰治 青森(青空文庫版)
読了

短い随筆。
同郷の版画家 棟方志功氏のことが
書かれている。
棟方氏が無名時代だった頃の作品を買い、
後に価値が上がったこと。
それを予感していたこと
などが書かれてる。

棟方志功氏の作品は、
一目見れば棟方氏の作品だと分かるくらい
個性的だと思う。
版木に齧りつく様に向かっている写真が
有名だけれど、あの感じ、
靭く太く息遣いまで刷り込まれている感じ。