2017/04/20

【読書日記】安部公房 方舟さくら丸



2017-20
安部公房 方舟さくら丸(新潮社版 初版)
読了

読み終わった。
物語の最後で主人公の太った男(通称:もぐら)は
方舟を手放すことになる。
この作品は地下の採石跡地が舞台だからか、
どこか息苦しい感じを
私も知らぬ間に抱いていたかもしれない。
最後はどこか清々しい様な開放的なものを感じた。

閉ざされた空間のなかで集団生活をすれば
自ずと上下関係の様なものが出来上がってくるというのは
人という生き物の性質だと思う。
命令をする者、それに従う者。
ちょっと引いた目線で一連の出来事を眺めてみると
すこし滑稽にすら思う。


2017/04/18

【読書日記】安部公房 方舟さくら丸



2017-20
安部公房 方舟さくら丸(新潮社版 初版)
234頁まで

四分の三くらいは読んだだろうか、
後半に差し掛かっている。
今までのところ大半が
採石跡地での出来事を描いていて、
また登場人物も少ないので
何となく戯曲を思わせる様なところがあるなと思う。

「他人の顔」、「砂の女」や「箱男」などに較べると、
人物描写が人間くさいなと感じる。
今まで読んで着た公房さんの作品と
すこし違った匂いがするかもしれない。

2017/04/16

【雑記】畳のうえで春の風と



今日は朝から掃除洗濯をしている。
掃除は終わった。
洗濯機はあと二回くらい。
ぐるぐる回るその音を聞きながら
インスタントの珈琲を淹れた。

網戸の風が気持ちいい。
たぶんこんなに上出来の風は
今年最初で最後だろう。

窓外ではシジュウカラが
ツツピと鳴いてる。
洗濯物が揺れている。

私の部屋は丘の上だから、
風も素直だ。



2017/04/15

【蔵書より】谷崎潤一郎 鍵(中央公論社版)



谷崎潤一郎 鍵
中央公論社版 初版
装丁・挿画 棟方志功
印刷 三晃印刷 昭和31年12月1日
色版印刷 求龍堂印刷
製本者 毛利伸夫
製函者 加藤三吉









物語の内容も素晴らしいけれど、
この本は何より、版画家 棟方志功が
装丁・挿画を手がけたことが
特筆すべきところかと思う。

この様な本を手にすると、
書籍は総合芸術と思う。


2017/04/13

【読書日記】安部公房 方舟さくら丸



2017-20
安部公房 方舟さくら丸(新潮社版 初版)
58頁まで

また公房さんを読みはじめた。
久しぶりに「砂の女」を再読しようかと
瞬間頭をよぎったけれど、
以前買ったこの本がその横に並んでおり、
やっぱり未読作品の引力には敵わなかった。

主人公の太った男は採石場の跡地に棲み、
この世界に危機感を抱いており、
来たるべきその危機を共に乗り越えるために
一緒に暮らす住人を探し回っている、というお話。
男はその採石跡地を「船」と呼び、
共に船で暮らす人(船員候補)にいつ出会っても良いように
外出する時は常に乗船券を持ち歩いている。

乗組員は誰でも良いという訳でなく、
男独自の審査基準の様なものがある様子。
審査に合格した人だけに乗船券を渡すという。
いつもながら公房さんの不思議な世界が始まった感じ。
この世の危機ってなんだろう。

安部公房の未読作品が
まだ幾つも残っていることに、
私は幸せを感じる。